はじめに
10月にVideoTouch株式会社に入社した、エンジニアの徳永です。
入社後1ヶ月間は技術研修の時間をいただき、用意いただいた研修コンテンツに沿って、じっくりと学習に取り組むことができました。研修は基本的に1人で進める形式で、メンターの方に適宜相談しながら自分のペースで学習しました。1人での取り組みは少し寂しさもありましたが、その分、集中して深く学べたと感じています。
研修では、AIツールを積極的に活用しました。分からない箇所はClaudeに質問し、コード実装ではCursorのAgentモードを使うなど、AIと対話しながら学習を進めました。
そうして学習を進める中で、「なぜこうしたのか」を説明できることの重要性に気づきました。AIがコードを書く時代だからこそ、技術選定の理由や設計の意図を説明できる力が求められる。研修を通じて、そんなことを考えました。
この記事では、技術研修の経験から見えてきた「説明責任を果たせるエンジニアの条件」について書いていきます。
挑戦の場としてのVideoTouch
過去の経験から得た視点
私は、2021年にSES企業に入社し、お客様先での常駐開発をメインに経験した後、2025年10月にVideoTouch株式会社に入社しました。
SES時代には様々なプロジェクトに参加しましたが、「言われたものを作る」だけでは本質的な課題解決にはならないという限界を感じていました。要件の背景やユーザーの真の課題を知らぬまま開発を進めると、仕様変更の多発や、結局使われない機能を生み出してしまうことになります。
事業会社を選んだ理由
私は、技術力だけでなくビジネス視点を持ち、プロダクトの上流工程から改善サイクル全てに当事者として関わりたいという想いから、事業会社を志望しました。
中でもVideoTouchを選んだのは、この会社に「物語」があると感じたからです。VideoTouch株式会社の前身であるViibar時代の急成長、事業の見直し、そして「2周目の挑戦」を選ぶ覚悟。華々しい成功だけでなく、痛みも苦悩も包み隠さず語り、そこから学びを得ようとするその透明性に強く惹かれました。
「変化と挑戦の渦中」という魅力
VideoTouchは、成熟しきった完璧な組織ではないと感じています。しかし、それが私にとっては大きな魅力でした。
明確なビジョンと10年の学びがありながら、まだ形を作り上げている最中──私はこの「変化と挑戦の渦中」にあるダイナミックな状態こそが、自身の成長、そして会社やプロダクトを自ら成長させられる環境だと感じました。
完璧に整備された組織では、歯車の一つとして「成長させてもらう」ことしかできません。しかし、この環境では、自分の行動が直接、会社やプロダクトの形を作っていきます。問題を与えられるのではなく、問題を見つけ、定義し、解決していく。この全サイクルに関われる環境で、私は技術とビジネスの両面から価値創造に挑戦したいと思いVideoTouch株式会社に入社しました。
技術研修の全体像:0→1のフルサイクル開発
入社後の技術研修では、「なぜその技術が必要か」「他にどんな選択肢があるのか」を理解しながら、座学と実装を繰り返して学習しました。
最終成果物
最終成果物は、「AIと音声会話できるAIロープレシステム」です。営業トレーニングを想定したシステムを、Nuxt3とNode.jsで実装し、AWS ECS/Fargateにデプロイ。IaC(Terraform)、CI/CD(GitHub Actions)、監視まで含めた、フルサイクルの開発を一通り体験しました。
研修の流れ(15のフェーズ)
Web開発の基礎からAI機能の統合まで、15のフェーズに分かれて幅広く学びました。

研修で見えた、AIの得意・不得意
研修を通じて、AIとの効果的な協働の形が見えてきました。
| AIが得意なこと | AIが苦手なこと(人間が担うべき領域) |
|---|---|
| 個別関数やクラスの実装 | アーキテクチャ全体の一貫性の担保 |
| 定型的なコードの生成 | セキュリティの全体設計と多層防御の判断 |
| ドキュメントからの情報抽出 | 環境全体を考慮した技術選定とトレードオフの判断 |
AIは、個別の実装や定型作業を圧倒的な速度でこなします。しかし、「この機能はDomain層に置くべきか」「Nuxt3のSSRと相性が悪いからnonceベースのCSPアプローチを取るべきか」といった、アーキテクチャ全体の一貫性や、環境全体を考慮した判断は、Clean Architectureやセキュリティの原則を理解した人間にしかできない仕事でした。
0→1の体験で得た「判断軸」
一連のフルサイクル開発を自分の手で進めたことで、技術的な知識だけでなく、「どの段階でどんな問題が起こり得るのか」「それに対してどうアプローチすべきか」という判断軸が身につきました。
特に、ドキュメントに載っていない実環境特有の問題に直面し、一つずつ解決する経験が重要でした。AIに聞いても一般的な回答しか返ってこない、自分の環境特有の問題は自分で解決するしかありません。
こうした経験の積み重ねこそが、新しい課題に向き合うときの「既視感」を生み出し、類推力を高めてくれると思います。
説明責任を果たすための4つの条件
AI時代にエンジニアが説明責任を果たすために必要な条件は、研修を通じて以下の4つに集約されました。

1. 「なぜ」を説明できること
技術選定や設計判断の根拠を、ビジネス要件、技術的制約、保守性の観点から論理的に説明できる力が不可欠です。説明責任を果たせないと、「なんとなく流行っているから」という表面的な理由での選定に陥り、技術的負債、スケジュール遅延、予算超過といった深刻な問題を引き起こします。
2. 説明できる知識を持っていること
「何を作るべきか」「どう設計すべきか」という前提知識がなければ、AIに何を質問すべきかも分からず、返ってきた答えの正しさも判断できません。知識こそが、AIを使いこなす土台です。
3. 全体を俯瞰できること
データベース、API、フロントエンド、インフラのすべてが調和して初めて、良いプロダクトになります。個別最適化はAIが得意ですが、全体最適化は人間の役割です。
4. AIの出力を評価できること
AIが生成したコードを鵜呑みにせず、セキュリティやパフォーマンスの観点からレビューし、最終判断を自分で行う必要があります。研修でAIが提案した eval() をXSS脆弱性のリスクから却下した経験のように、知識に基づいた評価が不可欠です。
おわりに
AI時代のエンジニアリングは、「AIに仕事を奪われる」のではなく、「AIと協働して価値を生み出す」時代です。
そのためには、AIに指示を出し、その出力を評価し、そして「なぜ」を説明できる判断の軸と責任感が必要だと感じました。これらは、実際に手を動かし、失敗し、学び続けることでしか獲得できないかと思います。
VideoTouchという「変化と挑戦の渦中」にある環境で、これからも技術力とビジネス視点の両方を持ち合わせ、プロダクトの価値創造に貢献できるよう、学びを続けていきます。
最後に、充実した研修プログラムを用意し、サポートしてくださったVideoTouchのチームの皆様に、心から感謝申し上げます。
おしらせ
VideoTouch では一緒に試行錯誤していける仲間を募集中です! もし興味を持っていただけましたら、カジュアルに一度お話しできればと思っています〜。







